遺言には法的に効力のある法定遺言事項と法的な効力のない付言事項とに分けられています。

 法定遺言事項としては、例えば法定相続分と異なる相続分の指定、遺産分割方法の指定、遺贈に関すること、推定相続人の廃除や子の認知などがあります。

付言事項は、遺言に記載することで家族に想いを伝えたりすることができます。

 付言事項の場合、法的に効力はないといっても遺言者の想いを伝えることで遺族間の争いを防いだり、自分の希望を伝えたりするケースもあります。

 では、付言事項にはどんなものがあるのかといいますと、例えば葬儀の方法です。

 葬儀をどういった方式で行って欲しいか、参列者は親族だけにして欲しいといった希望を記載したり、反対に葬儀を行わないで欲しいと記載していることもあります。

 他にも長男に財産を多く相続させたのは、長男が障害を抱えていることを考慮したためといった遺言の内容に関する理由を記載しておくケースがあります。

 臓器提供に関することや献体の希望、永代供養に関する事項を記載されている方もいます。

 尊厳死を希望する内容が記載されていることもありますが、一般的には公証役場で尊厳死宣言公正証書を作成されています。